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ネタ帳
2024/03/29  [PR]
 

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 pkmn

ダンデが元チャンピオン
ダンキバの報告をしてくれるホップとそれを聞かされたユウリの話








ホップとユウリがシュートシティの手前にて
バトルタワーへの戦いを前に英気を養おうとキャンプを始めていた

「聞いてくれユウリ」
「んー?」

テントを設置し、手持ちのポケモンたちを表に放した二人
ユウリはおもむろにボールの玩具を取り出し、
放したポケモンたちを呼びながら投げて遊びだした
ユウリの手持ちポケモンがご機嫌にボールの玩具を追いかけていく姿を
目で追いかけながらホップの声に相槌をした

ホップはといえばテントの中に荷物を降ろし
ユウリとポケモンたちの分のカレーの準備をし始めていた
きのみを選び、甘口か少し苦みがあるほうがいいか
首をやや右に傾げ気味に顎に手を添えて悩んでいた
ふとホップの頭に思い出したことがひとつあった

ユウリの相槌を耳にしたホップは
食材を鍋にいれはじめながらポツリポツリと聞いてほしいことを声にした


「この間、アニキが家にきたんだぞ」
「ほーん」
「一緒にご飯食べてさ、忙しそうだけど元気みたいでさ」
「いきいきしてるよねバトルタワー」
「あとキバナさんも家に訪ねてきたんだぞ」
「ワッツ?」
「ええと」


鍋が焦げないように火を起こしているホップのそばに
少しばかりカレーの匂いがし始めたのかポケモンたちが
興味津々にのぞき込んでいた

ユウリの投げるボールへの興味が薄れていくポケモンたちにあわせて
ボールを片してからカレーの鍋に近づいた
ユウリはテントの中にある荷物をゴソゴソと探り
鍋のそばにレジャーシートを敷き、お皿やコップを荷物から出した
火が整うとホップはカレーをくるり、くるりと飛び散らないように混ぜた

バイウールーがレジャーシートの端に座ったのを見たユウリは
少し寄りかかりながら一緒に座り
出来上がるのをただ火を見つめてカレーをポケモンたちと待っていた

ホップの思い出した会話は続く
なぜキバナさんが?と思ったユウリは聞き返す


「ダンデさんとキバナさんが一緒に家にきたの?」
「そうなんだぞ」
「なんで?」


出来上がったんだぞ、とホップがカレーをお皿によそって
トッピングに甘い甘いりんごを乗せた
おいしい匂いとお腹の減り具合が相まってユウリは涎を垂らした

「バトルにしては場所がおかしいよね」

ユウリはおいしいカレーをほお張りながら
ホップに疑問を投げかけた
ホップも至極当然に頭を上下に揺らして頷いた


「結婚するらしいんだぞ」


わざわざ一緒にくる意味あるのか、なんてユウリは
頭の中で考えていたら唐突に告げられた真実に
驚きのあまりカレーを落としてしまった


「まじかよ」
「まじなんだぞ」
「ええ、なんでよ」
「前からそんな気はしていたんだぞ」
「まじかよ」
「まじなんだぞ」


落としたカレーを心配そうにポケモンたちが
ユウリとホップの顔を交互に見合わせれば

「たいしたことないんだぞ」

ホップは宥めすかすように声音は柔らかく
手元はキッチンペーパーを大急ぎで動かして
何事もなかったように片していた
ユウリはその間に新しくカレーをよそいながら
いただきます、と何事もなかったように食べ始めた
食べる様子を止めはしないものの、
ホップは先に落としたカレーが服に少しかかったのを知っていた

「シミになるんだぞ」

すかさず上着を脱ぐように指示をした
ユウリはこのくらい、なんて口を尖らせてみせたものの
カレーを机に戻され強引に上着をはぎ取られた
寒空の下で寒さに体がぶるり、と震え
カレーどころではないとバイウールーに抱き着いた

「あのふたりがね~」

バイウールーのもこもこした毛の中から
もごつきながら出されたユウリの声音は
どことなく寂しそうな、なんとなく納得していた


「わたしは気づかなかったわ」
「ユウリは女子力ないし鈍感なんだぞ」
「女子力関係ないじゃん」
「あるんだぞ」
「・・・うそだ」
「キバナさんのカレー美味いんだぞ」
「わ、わたしだってうめーカレーくらい」
「キバナさんの服装おしゃれなんだぞ」
「わたしだって、!」
「それいつから着てるワンピースなんだぞ」
「あらっとるわ」
「そういうとこなんだぞ」
「・・そうなのか」
「そうなんだぞ」


ユウリは愚図る赤ん坊のようにギャンギャン、とホップに声を上げた
染み抜きが終わり、ホップは周りを見渡して立ち上がった
上着を乾かすためにハンガーに通して適当な木の枝に引っかけた
よし、と満足気にすれば振り返りバイウールーから覗く
ユウリの顔を覗き込んだ

「珍しい、泣いてるんだぞ」

ユウリの目元が少し潤んでいる様子にバトルタワーで倒されて
悔しさのあまりに流した涙しか見たことがないと断言した

「負けた気分だ」
「やっぱり悔しいだけなのか」

クソ、と悪態をついたユウリ
ため息そこそこにユウリの頭を撫でたホップは
自分の上着を貸してカレーを食べるように勧めた
ウーン、と唸り口に頬張ったスプーンをプラプラ、と
行儀もそこそこ悪くユウリを叱るホップ

お祝いをどうしようか、なんて考えるよりも先に
ユウリの頭にはダンデさんとキバナさんがバトルが強い人だという認識と
バトルがしたいという確固たる意志があった


「よし、お祝いがてらバトルいくかね」
「お祝いがバトルはおかしいんだぞ」
「大喜びするでしょ」


口元にごはん粒をつけながら鼻息荒くして美味しい、と
カレーをたいらげたユウリはおかわりとお皿を掲げれば
ホップはにっかりと歯をみせて笑顔を浮かべ
お皿にたっぷりのカレーをよそった

ダブルはどうだ、とユウリが聞けば
それはいい案だ、とホップは頷いた
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